短編小説『他愛も無い話』
短編小説:『他愛も無い話』
他愛も無い話だが、僕の妻はかなり面白い。
朝、8時に起こしてと言われたので、起こしてみると、「8時だよ。」と言う僕に、「全員集合!」と、寝ぼけながら答える。
しかも、握りこぶしを高々と上げるジェスチャー付きで。そう。ドリフで返事してくるのだ。こんなのがいくつもある。
「今、何時?」と聞くと、
「そうね、大体ね~!」と、サザンで返す。
「あなたは?」と聞くと、
「稲妻のよう~に~!」と、アリスで返す。
時には懐かしい、
バラエティー番組のキャラクターも出てきて。
「頑張れ~!」と言うと、
「負けんな~力の限り~生きてやれ~!」
と、小須田部長で答えてくる。
そういえば、【笑う犬の生活】面白かったなぁ~、
などと感慨深くなってみたりもする。
恥を承知で言ってしまうけれど、
妻がプッとオナラをしてしまった時などには、
「失礼こきやした~。」と、頭をかきながら告げられる。
また、僕がクシャミをすると、大きな音らしく、
「うえ~い、ビックリしたぁ~ドキドキドキ~。」
と胸に手をあてて、いかにビックリしているかを表現してくる。
あ、音で思い出したのだが、妻が空のペットボトルを潰す時、
「これから大きな音出しま~す!気を付けて下さ~い!」
と、一体何に気を付ければいいのかわからない、
謎のフレーズが飛び出す時が多々ある。
そして、妻の顔はどちらかというと、
ギュッとして濃いめなので、たまに外国人に間違われ、その為か、外国人によく道を尋ねられる。
しかし、妻は方向オンチなので、まったくあっていない道を、バリバリの日本語オンリーで、堂々と答えていたりする。
なんだか妻を見ていて、クスッと笑ってしまう事が沢山ある。
そんな僕は、かなり幸せ者なのかもしれない。
そして。最近、僕はボケる事に、目覚めてしまった。
何かでボケると、妻が必ず、パンチのきいたツッコミを入れてきてくれるのである。
まぁ、まだまだ初心者(?)なので、軽快なフットワークとまではいかないので、自信がついたら、文字にしてみようかと思っている。
しかし本当に、夫婦というものは、
〖割れ鍋に綴じ蓋〗なのだなぁと、思う今日この頃。
以上。全くもって、他愛も無い話である。
a2pro