歴史散歩『東海道五十三次4(新居宿~鳴海宿)』
前回の歌川広重の浮世絵に関する東海道五十三次に於いて、30番目の宿場町・舞阪まで記載させて頂きましたが、今回はその続きを記載させて頂きます。
<基準>
1里=36丁=2160間
1里=3627.27m
新居宿(遠江国・敷知郡)
日本橋より31番目の宿場
現在地:静岡県湖西市
前宿より1里(3.93km)
累積:日本橋より約263.1km
浜名湖の西岸の宿場です。広重の絵には、参勤交代の大名が船で湖を渡る様子が描かれています。《現在のPhoto》は、浜名湖・舘山寺付近の風景です。昔は湖を渡る渡船があったようですが、現在は遊覧観光船で湖からの風景を楽しむことが出来ます。
白須賀宿(遠江国・浜名)
日本橋より32番目の宿場
現在地:静岡県浜名郡
前宿より1里24丁(6.55km)
累積:日本橋より約269.65km
遠江国最西端の宿場です。山間部を進む大名行列の様子が描かれています。《現在のPhoto》は、気賀付近より浜名湖を見渡した風景です。奥には浜名湖や気賀市街が観られます。
二川宿(三河国・渥美郡)
日本橋より33番目の宿場
現在地:愛知県豊橋市
前宿より2里16丁(9.6km)
累積:日本橋より約279.25km
ここから三河国に入ります。夕暮れ時に重い足取りで、宿に向かう三人の旅人が描かれています。《現在のPhoto》は、現在の二川宿の町並です。二川は本陣・旅籠屋・商家の3か所を見学できる日本で唯一の宿場町になります。
吉田宿(三河国・渥美郡)
日本橋より34番目の宿場
現在地:愛知県豊橋市
前宿より1里20丁(6.11km)
累積:日本橋より約285.36km
右に見えるのは修復中の吉田城です。豊川と豊橋が描かれています。《現在のPhoto》は、豊川と吉田城です。この吉田城は、現在の豊橋公園内にあり、美術博物館や三の丸会館なども在ります。豊橋公園は市民の憩いの場です。
御油宿(三河国・宝飯郡)
日本橋より35番目の宿場
現在地:愛知県豊川市
前宿より2里22丁(10.25km)
累積:日本橋より約295.61km
御油宿(ごゆしゅく)での夕暮れ時の旅籠の様子です。宿の強引な客引きが横行し、女性が旅人を無理矢理引きずり込もうとしている様子が描かれています。《現在のPhoto》は、現在の御油の街並みです。現在では東海道本線から少し離れた為に落ち着いた街並みです。御油宿には当時の街並みを復元した模型や広重の浮世絵版画などを集めた資料館などがあります。
赤坂宿(三河国・宝飯郡)
日本橋より36番目の宿場
現在地:愛知県豊川市
前宿より16丁(1.75km)
累積:日本橋より約297.36km
東海道で21世紀まで営業を続けた唯一の旅籠がある宿場町です。「御油や赤坂、吉田がなけりゃ、なんのよしみで江戸通い」という言葉が残るほど東海道中の中心的な宿場でした。《現在のPhoto》は、広重の絵にある「赤坂宿旅籠鯉屋(大橋屋)」の中庭の様子が現在でも伺えます。
藤川宿(三河国・額田郡)
日本橋より37番目の宿場
現在地:愛知県岡崎市
前宿より2里9丁(8.84km)
累積:日本橋より約306.2km
幕府から朝廷へ馬を献上する行列の様子です。旅人たちが敬意を払い、土下座で行列を見送ります。《現在のPhoto》は、現在の藤川宿の入口になります。現在の本陣跡には藤川宿資料館として、藤川に関する資料が展示されています。
岡崎宿(三河国・額田郡)
日本橋より38番目の宿場
現在地:愛知県岡崎市
前宿より1里25丁(6.65km)
累積:日本橋より約312.85km
徳川家康が幼少の頃に暮らした岡崎城です。城下町として府中宿の次に大きな宿場町でした。絵には東海道一長い橋であった矢矧橋が描かれています。この橋で、日吉丸(幼少の秀吉)と蜂須賀小六が出会ったとされています。《現在のPhoto》は、現在の矢作川に掛かる矢作橋です。
池鯉鮒宿(三河国・碧海郡)
日本橋より39番目の宿場
現在地:愛知県知立市
前宿より3里30丁(15.05km)
累積:日本橋より約322.9km
池鯉鮒宿(ちりゅうじゅく)は木綿の産地で、運搬用の馬の「馬市」が開かれていた事で有名な宿場です。絵からもその様子が伺えます。《現在のPhoto》は、現在の池鯉鮒宿付近の松並木です。この松並木の南側で「馬市」が行われていたようです。
鳴海宿(尾張国・愛知郡)
日本橋より40番目の宿場
現在地:愛知県名古屋市緑区
前宿より2里30丁(11,13km)
累積:日本橋より約334.03km
鳴海宿周辺は絞り染めが名産です。鳴海絞や池鯉鮒宿と鳴海宿の間に開村された村が産地の有松絞が有名で、広重の絵には有松絞の店を描いています。《現在のPhoto》は、現在も残る有松絞の店です。「有松の街並み」は国から『重要伝統的建造物群保存地区』に選定されています。
今回は31番目の宿場町・新居宿から40番目の宿場町・鳴海宿まで書かせて頂きました。次回は41番目の宿場町・宮宿から旅の終わり、三条大橋まで書かせて頂きます。今後ともよろしくお願いいたします。